TREMOR

本態性振戦は、家族性振戦、特発性振戦、良性振戦とも呼ばれ、患者さんご自身では制御不能なふるえを引き起こすため、日々の生活に大きな影響を与えます。薬物療法で効果が得られない場合、次のステップとして外科的治療が必要になる場合があります。集束超音波はメスを使わず、さらに合併症のリスクを最小限に抑えながらふるえを低減することが期待できる治療法です。

治療はMRIで温度変化をモニタリングしながら、ふるえの原因と考えられる脳内の小さな部位に超音波を正確に集中させます。最初に低強度の超音波周波を照射しますが、その際、患者さんには感覚や副作用の有無を医師に伝えていただきます。その後、医師が患者さん毎に照射部位を微調整していきます。少しずつエネルギーを上げていき、限局的な治療用照射野を作ります十分な治療効果が得られた時点で治療を終了します。

これまでに多くの患者さんで、治療後、すぐの手のふるえの軽減改善が確認されています。これまでに世界中で3,500人以上の患者さんが治療を受けて、今も増え続けています。

安全性に関する情報については、添付文書をご参照ください。

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治療の原理と
効果について

メスを使わず、回復時間も短い集束超音波治療。安全かつ効果的に本態性振戦の手のふるえの軽減が期待できるこの治療法をご紹介します。

臨床試験(本態性振戦)

試験方法

FDA海外ピポタル臨床試験は2013年8月より7施設において薬剤難治性振戦の患者を対象に実施された。
プラセボ効果を見るために、本装置による治療を実際に受けた。

試験群と、超音波照射を行わなかった対象群とで実施し、薬剤難治性本態性振戦の患者を対象に本装置の有効性と安全性に評価を行った。症例の比率は、試験群3、対象群1とした。全症例数は74例である。

試験結果

1.主要有効性評価

振戦症状の程度をCRST(Cllnlcal Rating Scale for Tremor)で評価する。試験群の治療3ヶ月後時点において、治療照射を行った体制の上肢に対するCRST(Part A&Bを適用)のベースラインからの変化が、対象群と比較して統計的に有意に差があることとした。

下表に示すよう、試験群で振戦症状の改善が有意に認められた。

安全性
報告のあった有害事象は、試験群(ITT N-55)で48被験者に対して181件、シャム対象群(ITT N-19)で14被験者に対して26件の総計207件であった。

2.有害性事象の危害の程度

総計207件のうち、試験群の1件を除き、軽度・中程度であった。SAE(Serious Adverse Event)としてFDAに報告されたのは2件であり、内1件は本治療には関連しない事象、他1件は指(親指と人差し指)と下唇にしびれと刺し痛みを感じる中程度の危害の程度であったが、ペンを持って行う被験者の仕事に障害となるとしてSAEとして区分された。

3.視床破壊術共通に発生する事象

試験群にて報告された57件(32)%が視床破壊術共通に発生する事象であり、しびれ/刺痛(21件11.6%)、アンバランス(10件、5.5%)、運動失調(7件、4%)、頭痛(4件、2.2%)、ふらつき(4件)、歩行障害(4件)の内訳である。超音波照射を行っていないシャム対象群ではないこの区分に該当した有害事象は報告されなかった。有害事象の内訳を示す。

4.本治療に関連した事象

試験群15件(8.3%)及びシャム事象群2件(7.7%)、計17件報告されたが、いずれも軽度、中程度であった。尿管カテーテル・緊急時対応Ⅳライン装置、頭部剃髪、MR 装置ガン取り内数時間滞在、超音波照射などが本治療に関連する有害事象の要因になり得る。有害事象の内訳を表に示す。

安全に関する重要な情報

安全性に関する情報については、添付文書をご参照ください

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